こんちゃー!一級建築士のmachiです🎵
一級建築士として住宅の設計に関わってきて、いちばん聞かれるのがこれです。「マイホームって、いつ買うのがいいんですか?」
先に結論を言います。買うなら40代。20代・30代は住居費を徹底的に抑えて、浮いたお金を投資に回す。
「え、40代? 遅くない?」と思った方こそ読んでほしい記事です。「家賃がもったいないから若いうちに買う」が、生涯のお金で見ると逆にもったいない——今日はその話を、数字と一次資料で詰めていきます。
- マイホームは40代で買う。人生で1軒に収めるための逆算
- 20〜30代は住居費を手取りの20%以下に抑え、浮いた分を投資へ
- 目標は月10万円。22歳から40歳まで18年続けると元本2,160万円、年利5%なら約3,492万円
- 月10万円が出ないなら、昇給・転職・副業で捻出する。ここは節約より効く
- 例外あり:駅近マンションなど資産性が高く、将来売る前提の物件なら早く買ってもいい
「早く買う」が不利になる、いちばん大きな理由
まずデータから。国土交通省の資料に、取り壊された住宅が、建ってから何年経っていたかの国際比較があります。
| 国 | 滅失住宅の平均築後年数 |
|---|---|
| 日本 | 32.1年(平成20年→25年の調査ベース) |
| アメリカ | 66.6年 |
| イギリス | 80.6年 |
ここは誤解されやすいので、建築士として補足します。この数字は「日本の家は32年で壊れる」という意味ではありません。あくまで取り壊された家の築年数の平均です。日本では、まだ住める家でも建て替えを選ぶ人が多い——それが数字に出ている、と読むのが正確です。
ただ、そう読んだうえでも結論は変わりません。30年を超えたあたりから、多くの家が「住み続けるか、建て替えるか」の判断を迫られているという事実は動かないからです。
- 60歳(定年前):築30年。外壁・屋根・水回りの大規模メンテを1〜2回経験済み
- 70歳:築40年。設備は世代遅れ、断熱性能は購入当時の基準のまま
- 80歳:築50年。メンテ費はかさむ一方、資産価値はほぼ土地だけ
つまり30歳で買った家は、いちばんお金が必要な老後に寿命を迎える。ここで建て替えや住み替えを選ぶと、人生で2軒買うことになります。生涯収入の中から家を2軒買って、余裕を持って老後を迎えられる人はほとんどいません。
- ①老後に家の寿命が来る——30歳購入なら80歳で築50年
- ②年収がいちばん低い時期に、人生最大の買い物をする——頭金は薄く、借入は最大。払う利息も最大になる
- ③人生が固まる前に、住む場所を固定する——転勤・転職・子どもの人数・学区。20代では読めない変数が多すぎる
20〜30代がやること①:住居費を手取りの20%以下に抑える
ここからが本題です。「40代まで買わない」は「40代まで何もしない」ではありません。20〜30代は、準備のゴールデンタイムです。
最初にやるのは、住居費を手取りの20%以下に抑えること。手取り30万円なら家賃6万円が目安です。
住居費は固定費の中でいちばん金額が大きい費目です。ここを月3万円下げられれば、年36万円、18年で648万円。この一撃に勝てる節約は、正直ほかにありません。
20〜30代がやること②:月10万円を投資に回す
浮いたお金は、貯金ではなく投資に回します。目標は月10万円。
この金額には理由があります。月10万円 × 12か月 = 年120万円。これは新NISAの「つみたて投資枠」の年間上限とぴったり同じです。枠を使い切りつつ、運用益が非課税になります。
では、22歳から40歳までの18年間(216か月)続けるとどうなるか。元本は2,160万円です。
| 年利(平均) | 40歳時点の評価額 | 元本2,160万円との差 |
|---|---|---|
| 3% | 約2,859万円 | +約699万円 |
| 4% | 約3,156万円 | +約996万円 |
| 5% | 約3,492万円 | +約1,332万円 |
| 6% | 約3,874万円 | +約1,714万円 |
| 7% | 約4,307万円 | +約2,147万円 |
年利5%で約3,492万円。頭金として使える弾が、これだけ育ちます。
- 年利は18年間ならしたときの平均です。毎年きれいに5%増えるわけではありません
- 途中で3割・4割下がる年は必ず来ます。それでも積立をやめないことが前提の数字です
- NISAの枠を超えて運用する分には、利益に約20%の税金がかかります
- これは「必ずこうなる」という約束ではなく、過去の株式市場の平均的な水準を当てはめた試算です
月10万円が出ないなら、稼ぐ側を動かす
ここは正直に書きます。月10万円は、節約だけでは届かないことが多いです。手取りを増やすほうを動かしてください。
- ①昇給する——資格、社内評価、役割を取りにいく。いちばん確実だが時間はかかる
- ②転職する——同じ仕事内容でも業界を変えると年収が動く。20〜30代の転職はここが効く
- ③副業する——月3万円でも年36万円。18年で648万円の元本になる
年収が100万円上がると、住宅の予算はざっくり700〜800万円変わります。20〜30代で稼ぐ力を上げることは、そのまま「買える家のグレード」を上げることでもあるんです。
40代で買うと、何が変わるのか
ここからが本題の後半。なぜ40代なのかを4つに分けます。
① 生涯のメンテナンス費が減る
戸建ては、外壁・屋根・防水・給湯器・水回りと、築10年を過ぎたあたりから定期的にお金がかかります。金額の実測は30年のメンテナンス費用シミュレーションにまとめましたが、ざっくり30年で数百万円規模です。
30歳で買って80歳まで住めば50年分。40歳で買えば40年分。単純に、大規模メンテの回数がまるごと1周分減ります。
② 生涯の固定資産税が減る
固定資産税は持っている間ずっとかかる費用です。所有期間が10年短ければ、その分だけ総額が減ります。
ここで知っておいてほしいのが、新築住宅の減額措置は期間限定だということ。国土交通省の制度では、新築住宅の固定資産税は3年間(マンション等は5年間)2分の1に減額されます(適用期限は令和13年3月31日)。認定長期優良住宅なら5年間(マンション等は7年間)です。
③ 光熱費が下がる
ここは建築士としていちばん力を入れたいところです。住宅の断熱性能は、この10〜20年で別物のレベルまで進化しました。2022年には断熱等級6・7が新設され、2025年4月からは原則すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられています。
待てば待つほど、標準の性能が上がっていく。長く住む家こそ、そのときの最新性能で建てたい。「若いうちに買った築30年の家」と「これから建てる家」は、同じ『家』という名前の別の商品だと思ってください。
④ 人生で1軒に収まる
40歳で買えば、85歳でも築45年。家の寿命と、自分の残り時間がほぼ一致します。2軒目が要りません。
加えて40代は、子どもの人数も学区も働き方も見えている時期です。間取りの失敗が起きにくい。そして頭金が厚いので、借入額と利息を圧縮できます。金利が上がっている局面では、この差はさらに大きくなります。
例外:早く買っていい人もいる
ここまで「40代で買え」と書いてきましたが、例外はあります。
- 駅近・都心のマンションなど、資産性の高い物件を選べる
- そして将来売る前提で買っている(住み替えを計画に織り込んでいる)
この場合、家は「消費」ではなく「持ち替えられる資産」になります。ライフスタイルが変わったら売って住み替えればいいので、20〜30代で買うデメリットの多くが消えます。
ただし条件は厳しめに見てください。資産性は「買ったあとに結果的にそうなった」ことが多いからです。判断材料は資産価値が落ちにくい家の条件にまとめましたが、駅からの距離、周辺の中古がどれくらいの価格で流通しているか、管理状態、総戸数あたりを、買う前に自分で調べられるかがひとつの分かれ目です。
- 売却時の仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税が上限)
- 購入時の諸費用(登記・ローン手数料・税金)は、売っても戻ってこない
- 住んでいた期間の管理費・修繕積立金。マンションは築年数とともに上がっていく
「売れば損しない」ではなく、「これだけのコストを差し引いても残るか」で見てください。逆に言えば、そこまで詰めて考えられる人なら、早く買う選択はアリです。
40代で買うときの注意点も、正直に
40代購入にもデメリットはあります。隠すのはフェアじゃないので書いておきます。
| 注意点 | 対策 |
|---|---|
| ローンの完済年齢 | 45歳で35年ローンを組むと完済は80歳。頭金を厚くして、借入額と期間を圧縮するのが大前提。20〜30代の資産形成はこのためにある |
| 団信(団体信用生命保険) | 年齢が上がるほど、健康上の理由で加入できないリスクが出てくる。健康なうちに組むのが望ましい。45歳を上限に置いているのはこれが理由 |
| 子育て期の住まい | いちばん手狭な時期を賃貸で過ごすことになる。ここは割り切りポイント。「広さ」より「身軽さと貯蓄スピード」を取る戦略だと、家族で先に合意しておくこと |
まとめ
- 国交省の資料では、取り壊された住宅の平均築後年数は日本32.1年(米66.6年・英80.6年)。30歳で買うと、老後に建て替え・住み替えの判断が来る
- 買うなら40代。メンテ費・固定資産税・光熱費のすべてで生涯コストが下がり、人生で1軒に収まる
- 20〜30代は住居費を手取りの20%以下に。固定費でいちばん効く一撃
- 浮いた分を月10万円(=新NISAつみたて投資枠の上限)投資へ。22〜40歳で元本2,160万円、年利5%なら約3,492万円
- 月10万円が出ないなら昇給・転職・副業。節約より入金力
- 新築の固定資産税が半額なのは3年間だけ(マンション等は5年)。切れたあとの金額で資金計画を組む
- 例外:駅近マンションなど資産性が高く、売る前提で買えるなら早くてもいい。ただし売却コストまで含めて計算すること
まちもち家自身、賃貸のまま投資を続けてきました。その結果は家を買うお金でオルカンを買い続けたら8年でどうなったかに書いたとおりです。この選択肢は、早く買っていたら存在しませんでした。
数字はご家庭ごとに違います。賃貸 vs 持ち家シミュレーターと住宅建築 総資金計画表ツールで、ぜひご自身の条件でも試してみてください。
- 国土交通省「我が国の住宅ストックをめぐる状況について(補足資料)」滅失住宅の平均築後年数(国際比較)
- 国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」
みんなは何歳でマイホームを買った? これから買う人は何歳で買う予定? コメントでぜひ教えてね!
※本記事は2026年8月時点の情報に基づく一般的な解説であり、特定の金融商品や不動産の購入を推奨・勧誘するものではありません。運用に関する試算はあくまでシミュレーションであり、将来の成果を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。税制・制度は改正される場合があります。最適な購入タイミングはご家庭の収入・家族構成・地域・ライフプランによって異なりますので、最終的なご判断はご自身の責任でお願いします。
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それではまた!machiでした🎵
買いどきの答えは、平均データではなく、ご自身の数字の中にあります。
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