こんちゃー!一級建築士のmachiです🎵
「新築でも第三者に見てもらったほうがいいですか」
これ、よく聞かれます。ホームインスペクションや内覧会同行というサービスがあって、気になっている方は多いと思います。
先に言っておくと、私は現場監督の経験もあります。つまり、第三者に見られる側にいた人間です。
その立場から、正直に書きます。
現場側は、第三者が入るのをどう思っているか
結論から言います。入っていただいて構いません。
入られて困るような管理はしていません。これは私がやってきた現場の話です。
ただし、知っておいてほしいことがあります。
調査員も、費用をもらって入ります。
ということは、成果が必要です。「何もありませんでした」では終われません。
だから致命的な事象ではなくても、何かしらの指摘は出ます。
そして指摘された箇所については、現場はしっかり対応します。そこは心配いりません。
致命的なものが出るかどうかは、現場によります
ここは正直に書きます。
しっかり現場管理されている会社なら、致命的なものは基本的に出ません。
ただし、そうでない現場だと出ます。
そして理由はひとつではありません。会社の体制のこともあれば、職人のこともあり、現場監督のこともあります。
つまり同じ会社でも、現場によって差が出ます。ここが施主にとって難しいところです。
会社の評判や営業担当の人柄では分かりません。自分の家を担当する職人と現場監督が、どういう人たちなのかは事前に分かりません。
だから第三者の目が意味を持ちます。
軽い指摘は、どの会社でも出ます
一方で、見つかっても直さなくてもいい程度のものは、どの会社でも出てきます。
前に書いたとおり、調査員も成果が必要です。報告書に指摘が並んでいても、それだけで「この家は欠陥住宅だ」という意味ではありません。
指摘の数そのものに驚く必要はありません。大事なのは、その中に致命的なものが含まれているかどうかです。
では、何を見てもらうのか
価値があるのは、ここです。
完成すると見えなくなる部分。
家が完成したら、壁の中、天井の裏、床の下は見えません。基礎も見えません。
具体的にはこういう部分です。
- 基礎(鉄筋、アンカーボルト)
- 躯体(構造)
- 雨仕舞(防水)
- 断熱
- 配管・ダクト
内覧会同行や引き渡し前の検査では、これらは見られません。もう隠れているからです。
1回の訪問で済むので売りやすいサービスですが、その時点で確認できるのは仕上がりの部分だけです。
逆に言えば、見えなくなる前に見てもらうことには、はっきり意味があります。完成してからでは、どうやっても確認できない部分だからです。
ただし、管理ができていれば起きない部分です
誤解のないように書いておきます。
これらは、現場管理がちゃんとできていれば施工不良は起きません。
手を抜く前提の話をしているわけではありません。
ただ、職人も現場監督も人間なので、見落とす可能性があります。
留め付けのビスが1本抜けている。防水テープを1か所貼り忘れる。そういうことは、起こりえます。
第三者の目は、その見落としに対する保険です。
業者が信用できないという話ではなく、人は見落とすという話です。
中間検査があるのに、第三者も必要ですか
これもよく聞かれます。工事中には中間検査がありますよね、と。
ここは誤解されやすいので、はっきり書きます。
中間検査は、金物や筋交いなど最低限の設置を確認する検査です。
| 中間検査 | |
|---|---|
| 見るもの | 金物や筋交いなどが設置されているか |
| 見ないもの | 躯体の歪み/耐力壁以外の躯体欠損 |
つまり「あるかないか」は見ますが、「ちゃんとできているか」までは見ません。
躯体が歪んでいても、耐力壁以外の部分が欠損していても、中間検査はそこを対象にしていません。
第三者検査が見るのは、その先の部分です。中間検査があるから不要、という話にはなりません。
入れるなら、この段階です
見えている期間は限られています。過ぎたら隠れます。
| 段階 | 見るもの | 過ぎると |
|---|---|---|
| 配筋後・コンクリート打設前 | 鉄筋のピッチ/かぶり厚/アンカーボルトの施工 | 打設したら二度と見えない |
| 基礎完成後 | 仕上がり/ジャンカがないか | 埋め戻し・土台で隠れる |
| 上棟後・構造が見えている間 | 躯体の水平・垂直/金物/配管固定(ビスの抜けも) | 断熱材・ボードで隠れる |
| 防水下地の段階 | 防水紙の重ね代/留め付け不良/防水テープの貼り忘れ | 外壁材で隠れる |
| 断熱施工後・ボード張る前 | 断熱の不足や抜け | ボードで隠れる |
| 設備配管後 | ダクトの勾配 | 天井・壁で隠れる |
用語を短く説明します
- かぶり厚:鉄筋をコンクリートで覆う厚み。足りないと鉄筋が錆びます
- ジャンカ:コンクリートが回りきらず、砂利と隙間が出てしまった状態
- 金物:柱と梁をつなぐ金属の補強材
- 重ね代:防水紙を重ねる幅。足りないと雨が入ります
- 雨仕舞:雨水を建物に入れず、流して外に出す仕組みのこと
「過ぎると見えない」の列を見てください。自分の家がいまどの段階かで、呼ぶタイミングが決まります。
いくらかかるのか
検査会社が公表している料金を見ると、基本料金で5万〜7万円程度です。
これに床下や小屋裏に入って見る調査がオプションで加わります。各2〜3万円程度が目安です。
会社によって幅があります。工事中に何段階も入れるコースを選ぶと、数十万円になることもあります。
ただ、最上位のコースまで必要かというと、そこは別の話だと考えています。前に書いたとおり、致命的なものが出てくることは基本的にないからです。
全段階に入れる必要はありません。基本料金の範囲で実施できる内容でも十分だと考えています。
見積もりを取るときは、回数・面積・オプションの3点を確認してください。延床面積が大きいと別途見積もりになる会社もあります。
引き渡し前に、施主が見るところ
第三者を呼ぶかどうかとは別に、引き渡し前の検査(施主検査)があります。
よくある指摘はこの2つ
- 床などの傷
- クロスの隙間
ほとんどの方がここを見ます。見つけやすいからです。
見落とされがちで、見るべきもの
- 清掃状況
- 建具の開閉
- 機器の動作確認
- 設置物の歪み、傾き
建具を一枚ずつ開け閉めして、機器を一つずつ動かす施主は少ないです。
清掃状況が入っているのは、不具合ではないからです。ただ引き渡し時の清掃が行き届いているかどうかには、現場管理の質が出ます。
まとめ
- 第三者が入ることに、現場側の抵抗はない(少なくとも私の現場では)
- ただし調査員も成果が必要なので、何かしらの指摘は出る。指摘の数に驚かなくていい
- 致命的なものが出るかは現場による。会社・職人・現場監督、理由はいろいろ。同じ会社でも差が出る
- 価値があるのは完成すると見えなくなる部分。基礎・躯体・雨仕舞・断熱・配管
- 完成後の検査では、これらは見られない
- 現場管理ができていれば起きない部分だが、人は見落とす。第三者の目はその保険
- 引き渡し前は、傷とクロスだけでなく清掃・建具・機器・歪みも見る
- 全段階に入れる必要はない。基本料金の範囲でできる内容でも十分
目的は欠陥探しではありません。見えなくなる前に、ひと目入れておくことだと考えています。
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※本記事は情報提供を目的としたものです。地域や施工会社によって運用は異なります。



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