こんちゃーmachiです。前に40代の貯金はいくらかという記事を書きました。あのときは貯金の話だけでした。今日は借金を引いたらどうなるかを見ていきます。
結論から書きます。40代の二人以上世帯のうち、50.2%は貯金より借金のほうが多い。半分です。
ただしこれは、土地と建物を数えていない数字です。そこまで入れると、40代の純資産はプラス2,221万円になります。両方見ていきます。
40代の半分は、貯金より借金が多い
総務省の家計調査から、年代別に「貯蓄より負債のほうが多い世帯」の割合を出しました。
年代別 純金融資産がマイナスの世帯の割合
貯蓄より負債のほうが多い世帯が、その年代の何%を占めるか。
| 年代 | 純金融資産がマイナスの世帯 | 集計世帯数 |
|---|---|---|
| ~29歳 | 39.0% | 84 |
| 30代 | 55.5% | 507 |
| 40代 | 50.2% | 916 |
| 50代 | 31.5% | 1,039 |
| 60代 | 7.8% | 1,083 |
| 70歳~ | 2.9% | 1,827 |
出典:総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)」2025年平均・二人以上の世帯。集計世帯数は実際に集計された世帯数で、少ないほど数字が振れやすくなります。
そのとおりです。30代から40代は、住宅ローンを組んだ直後の世代です。家という資産は手に入りますが、この統計の「貯蓄」には家は入りません。入るのは預貯金・保険・有価証券などの金融資産だけ。だから、ローンを組んだ瞬間に数字の上ではマイナスになります。
20代が39.0%と少し低いのは、そもそもまだ家を買っていない人が多いからです。持家率は20代で40.3%、30代で67.9%、40代で78.9%と上がっていきます。ただし20代は集計世帯数が84世帯と少なく、数字が振れやすい点はご注意ください。
プラスに転じるのは50代から
金額で見ると、こうなります。
年代別 純金融資産(貯蓄マイナス負債・万円)
プラスに転じるのは50代。40代はまだ102万円足りません。表には内訳の貯蓄と負債も入れています。
| 年代 | 貯蓄 | 負債 | 純金融資産 | 集計世帯数 |
|---|---|---|---|---|
| ~29歳 | 428 | 1,467 | ▲1,039 | 84 |
| 30代 | 1,073 | 1,940 | ▲867 | 507 |
| 40代 | 1,381 | 1,483 | ▲102 | 916 |
| 50代 | 1,756 | 743 | +1,013 | 1,039 |
| 60代 | 2,843 | 234 | +2,609 | 1,083 |
| 70歳~ | 2,471 | 81 | +2,390 | 1,827 |
出典:総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)」2025年平均・二人以上の世帯。集計世帯数は実際に集計された世帯数で、少ないほど数字が振れやすくなります。
20代で1,039万円のマイナス。30代で867万円のマイナス。40代でようやく102万円のマイナスまで戻ってきて、50代でプラス1,013万円。ここで初めてプラスに転じます。
60代で2,609万円、70代で2,390万円。資産が増えているというより、負債が消えていると言ったほうが正確です。負債は60代で234万円、70代で81万円まで落ちます。
土地と建物を入れると、40代はプラス2,221万円
ここまで見てきた数字には、大事なものが入っていません。家と土地です。
家計調査の「貯蓄」は預貯金・保険・有価証券などの金融資産だけで、持ち家の価値は含みません。だから住宅ローンを組むと、負債だけが数字に乗って、買った家は乗らない。ここまでの「純金融資産がマイナス」は、そういう意味です。
総務省の全国家計構造調査は、住宅・宅地まで含めた資産を出しています。2026年8月に公表された最新の結果です。
| 年代 | 金融資産 | 金融負債 | 純金融資産 | 住宅・宅地 | 純資産総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 437 | 811 | ▲374 | 879 | +505 |
| 30代 | 831 | 1,553 | ▲722 | 1,976 | +1,254 |
| 40代 | 1,167 | 1,331 | ▲164 | 2,385 | +2,221 |
| 50代 | 1,677 | 708 | +970 | 2,627 | +3,597 |
| 60代 | 2,394 | 318 | +2,076 | 2,796 | +4,871 |
| 70代 | 2,222 | 138 | +2,084 | 2,851 | +4,935 |
40代の純資産総額は、プラス2,221万円です。金融資産だけなら▲164万円ですが、住宅・宅地が2,385万円あるので、合わせるとしっかりプラスになります。
この調査でも40代の負債保有率は65.8%。家計調査から計算した65.7%とほぼ同じで、別の調査で裏が取れています。
ただし注意もあります。住宅・宅地の評価額は、売れる値段とは限りません。地方の郊外だと、査定は出ても買い手がつかないことがあります。それに、住み続けるかぎり現金化はできません。老後資金として数えるなら、売るか貸すか、どちらかの出口が要ります。
それでも、「貯金より借金が多い」だけを見て落ち込む必要はないとは言えます。
借金を持っている人の額は、40代で2,212万円
さっきの表で、40代の負債は1,483万円でした。これを見て「思ったより少ない」と感じた方は、鋭いです。
あの数字は借金がゼロの世帯も混ぜた平均だからです。借金を持っている世帯だけで見ると、金額はこう変わります。
| 年代 | 負債を持つ世帯の割合 | その世帯の負債(平均) | 同(中央値) |
|---|---|---|---|
| 30代 | 64.4% | 2,916万円 | 2,937万円 |
| 40代 | 65.7% | 2,212万円 | 2,051万円 |
40代で借金があるのは3世帯に2世帯。その人たちは平均2,212万円を背負っています。1,483万円という数字は、残り3分の1のゼロ世帯に薄められた姿でした。
建築費の高騰は、若い世代から順に出てくる
ここが今回いちばん書きたかったところです。
負債の統計は「今年いくら借りたか」ではなく「いま残高がいくらか」です。40代の多くは5年から15年前に借りていて、元本を返した後の残りを見ています。
一方、建築費が大きく上がったのは2021年以降です。その値段で借りた人は、いまの30代に集中しています。だから30代のほうが借入残高が大きい。
5年後、10年後の「40代の負債」は、いまより確実に重くなります。逆に言えば、いまの40代の数字を見て「自分は多すぎる」と思う必要はありません。借りた時期が違うだけです。
投資の比率は、40代でいちばん下がる
貯蓄のうち、いくらを投資に回しているか。年代別に見ると面白い形が出ます。
年代別 投資額(有価証券・万円)と、貯蓄に占める割合
株式・債券・投資信託の合計。棒の上の小さい数字が、貯蓄全体に占める割合です。
| 年代 | 投資額 | 貯蓄に占める割合 | 集計世帯数 |
|---|---|---|---|
| ~29歳 | 121万円 | 28.3% | 84 |
| 30代 | 293万円 | 27.3% | 507 |
| 40代 | 300万円 | 21.7% | 916 |
| 50代 | 348万円 | 19.8% | 1,039 |
| 60代 | 713万円 | 25.1% | 1,083 |
| 70歳~ | 456万円 | 18.5% | 1,827 |
出典:総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)」2025年平均・二人以上の世帯。集計世帯数は実際に集計された世帯数で、少ないほど数字が振れやすくなります。
投資額そのものは年齢とともに増えます。でも貯蓄に占める割合は、20代の28.3%がいちばん高く、40代21.7%・50代19.8%で凹みます。
これは別の調査でも同じ形が出ています。J-FLECの世論調査でも、投資の比率は30代34.8%から40代27.1%に下がり、50代で33.8%に戻ります。調査が違っても同じ形が出るということは、実態だと考えていいと思います。
教育費と住宅資金です。大学の入学金は投資信託では払えません。40代が現金を厚く持つのは、合理的な判断です。「40代は投資が足りない」という話ではありません。
ピラミッドのどこにいるのか
野村総合研究所が、日本の世帯を純金融資産で5つに分けた推計を出しています。ここでいう純金融資産は「金融資産から負債を引いたもの」。この記事の純金融資産と同じ考え方です。
純金融資産の階層別ピラミッド
形は模式図です(世帯数どおりの幅で描くと超富裕層は1px以下になり見えないため)。実際の世帯数の割合は下の帯で示しています。
出典:野村総合研究所の推計(2023年時点、2025年2月13日公表)をもとに作図。純金融資産は金融資産から負債を引いたもので、住宅・宅地は含みません。
| 階層 | 純金融資産 | 世帯数 |
|---|---|---|
| 超富裕層 | 5億円以上 | 11.8万 |
| 富裕層 | 1億〜5億円 | 153.5万 |
| 準富裕層 | 5,000万〜1億円 | 403万 |
| アッパーマス層 | 3,000万〜5,000万円 | 576.5万 |
| マス層 | 3,000万円未満 | 4,424.7万 |
合計5,569.5万世帯のうち、マス層が4,424.7万世帯。全体の79.4%です。
そして40代の平均は、そのマス層の中でもマイナスから始まります。アッパーマス層の入口である3,000万円には、60代の平均(2,609万円)でもまだ届きません。
まちもち家の場合
最後に、うちの話です。
まちもち家は40代・4人家族で、まだ家を買っていません。賃貸です。ということは、この記事の表の中では負債がゼロという例外にあたります。
家を買うつもりで貯めたお金を、そのまま投資に置いて8年。毎月の家計簿と資産額は全部公開しています。いいことばかりではありません。家がないので、家という資産も持っていません。純金融資産では有利に見えても、住む場所は一生借り続けることになります。
どちらが得かは、賃貸と持ち家のシミュレーターで自分の数字を入れてみてください。屋根や外壁の修繕費まで入れて30年で比べられます。
まとめ
- 40代の50.2%は純金融資産がマイナス。30代は55.5%
- 純金融資産がプラスに転じるのは50代(+1,013万円)
- 負債を持つ40代の平均は2,212万円。30代は2,916万円で、建築費の高騰は若い世代から出てくる
- 投資の比率は40代で凹む。教育費と住宅資金があるので、合理的
- 日本の79.4%はマス層(純金融資産3,000万円未満)
貯金だけ見て落ち込む必要も、安心する必要もありません。大事なのは、借金を引いたあとの数字が、これから何年でどう動くかです。40代でマイナスなのは、そういう時期だからです。
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40代の資産形成は「増やし方」より「順番」です。現在地の把握から、生活防衛資金、NISAの活用、続けるコツ、教育費の備え、そして出口戦略まで、関連記事10本を順番に整理した総合ガイドを用意しています。
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出典:総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)」2025年(令和7年)平均結果・二人以上の世帯/金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」/野村総合研究所「日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」2025年2月13日



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