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【老後資金】いくら貯めれば安心か|2,000万円問題を2025年のデータで計算し直しました

資産形成・NISA

こんちゃー!まちもちチャンネルのmachiです🎵

「老後2,000万円問題」という言葉が残っています。ただ、あの2,000万円という数字を、そのまま自分の目標にしてはいけません。

理由は単純で、報告書の本文に「あてにするな」と書いてあるからです。ほとんどの人が読んでいないだけです。

この記事では、金融庁の報告書の原文と、総務省の2025年の家計調査から、いま計算するといくらになるのかを出します。そのうえで、わが家が1億円を目標にしている理由を、計算式ごと公開します。

✅ この記事の結論
  • 「2,000万円」は平均から出した数字で、報告書自身が「人によって大きく異なる」と書いている
  • 2025年のデータで計算し直すと約1,241万円(65歳女性の平均余命ベース)
  • ただしこの数字は持家率95.5%の世帯のもの。賃貸なら家賃が丸ごと上乗せになる
  • 赤字がいちばん大きいのは65〜69歳。老後は後半より前半がきつい
  • 安心の額は、貯蓄額では決まらない。使う額で決まる

「2,000万円」は、報告書の本文に「あてにするな」と書いてあります

2019年の金融庁の報告書「高齢社会における資産形成・管理」。ここが出どころです。該当箇所を、そのまま引用します。

毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20〜30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300万円〜2,000万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合もありうる

驚くmochiのイラスト
えっ、報告書に「不足しない場合もある」って書いてあるの?
解説するmachiのイラスト
書いてある。しかも「1,300万円〜2,000万円」と幅で書いてあるのに、大きいほうの2,000万円だけが残った。数字は独り歩きするときに、いちばん都合のいい形になる。

報告書はこのあと、こう続けています。「重要なことは…老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである」。

金額を示したのではなく、計算のしかたを示していたのがこの報告書です。ではやってみます。


2025年の数字で計算し直すと、1,241万円です

元になっているのは総務省の家計調査です。2025年版の、65歳以上の夫婦のみの無職世帯を見ます。

項目月額
実収入254,395円
可処分所得221,544円
消費支出263,979円
毎月の赤字▲42,434円

2019年の報告書では「約5万円」でしたが、2025年は約4万2千円です。少し縮んでいます。

次に、これを何年分見るか。厚生労働省の令和6年簡易生命表では、65歳の平均余命は男19.47年、女24.38年です。

期間必要額
19.47年(65歳男性の平均余命)約991万円
24.38年(65歳女性の平均余命)約1,241万円
30年約1,528万円
💡 平均余命の読み方

平均余命は「その年齢まで生きた人の、その後の平均」です。平均ということは、半分の人はそれより長く生きます。65歳の女性なら、半分は89歳より長生きする、という意味になります。資金計画は、平均で足りる額ではなく、長く生きても困らない額で組むべきです。

ここまでは、よくある計算です。問題はこの先にあります。


落とし穴① この数字は「持ち家の人」の数字です

同じ家計調査の表を、もう一段細かく見ます。消費支出263,979円の内訳で、住居費がいくらか。

費目月額構成比
食料78,964円29.9%
住居17,739円6.7%
光熱・水道23,540円8.9%
保健医療17,941円6.8%
交通・通信31,325円11.9%
教養娯楽26,538円10.1%
その他(交際費など)51,341円19.4%

住居費が月17,739円。これで家に住めるはずがありません。

理由は同じ調査の別の欄にあります。65歳以上の無職世帯の持家率は95.5%です。20世帯のうち19世帯が持ち家。だから住居費の中身は、家賃ではなく修繕費や管理費が中心になります。

質問するmochiのイラスト
じゃあ賃貸のままだと、この計算は全然あてにならないってこと?
解説するmachiのイラスト
まったくあてにならない。家賃10万円なら、差額の8万2千円が毎月まるごと上乗せされる。しかも家賃は死ぬまで続く。「老後2,000万円」は、持ち家がある前提の数字なんだ。

家賃10万円で計算し直すと、こうなります。

前提毎月の赤字24.38年分
家計調査のまま(持ち家)▲42,434円約1,241万円
家賃10万円の賃貸▲124,695円約3,648万円

3倍近く違います。持ち家か賃貸かで、老後に必要な額はここまで変わります。2,000万円という数字だけを見ていると、この差はまったく見えません。


落とし穴② 赤字がいちばん大きいのは、老後の「前半」です

もうひとつ、あまり知られていないことがあります。老後の赤字は、年を取るほど縮みます。

世帯主の年齢消費支出毎月の赤字持家率
65〜69歳296,997円▲51,287円94.3%
70〜74歳285,844円▲37,245円94.8%
75歳以上248,460円▲27,225円96.0%

65〜69歳の赤字は、75歳以上のほぼ2倍です。旅行にも行くし、まだ体が動くので出かけます。人付き合いも残っています。お金を使えるうちは、使うんです。

これは資金計画の作り方に直結します。「毎年同じ額を取り崩す」という前提で計算すると、前半が足りなくなります。退職直後の数年をいちばん厚く見ておく、というのが実際のかたちに近いはずです。


わが家が1億円を目標にしている理由

ここからは自分の話です。まちもち家の総資産は7,852万円(2026年8月末)。目標は1億円と公開しています。

この1億円は、切りのいい数字だから選んだのではありません。ただ、順番に説明させてください。まず必要額の出し方からです。

🧮 必要額は、支出と年金の差で決まります

① わが家の毎月の支出は約33万円

② ここから年金を引きます。夫婦で月21万円(厚生年金15.1万円+国民年金5.9万円の平均)とすると、足りないのは月12万円

③ 年144万円を4%ルール(資産の4%を毎年取り崩す)でまかなうなら、
144万円 ÷ 4% = 3,600万円

計算だけなら、3,600万円で足ります。わが家はもう超えています。

それでも目標を1億円にしているのは、理由があります。

✅ 1億円は「年金がなくても大丈夫な額」です

1億円の4%は年400万円。月にすると約33万円で、いまと同じ生活費がそのまま出ます。

つまり年金をゼロとして置いた額です。年金が出れば、その分はまるごと上振れになります。

30年先の年金がいくらになるかは、誰にも分かりません。だから計算には入れるけれど、当てにはしない。この2つは両立します。

そして「1億円が正解」ではありません。必要額は支出と年金の差で決まるので、家庭ごとにまったく違う数字が出ます。

質問するmochiのイラスト
もう7,852万円あるんだから、けっこう近くない?安心してもいいんじゃないの?
解説するmachiのイラスト
それが、してないんだよ。中身を分けると、見え方が変わる。

公開している内訳を、もう一段割ってみます。

区分金額総資産比
リスク資産6,231万円79.4%
教育資金(動かせない現金)1,000万円12.7%
自由に動かせる現金621万円7.9%

現金は1,621万円あって、比率にすると20.6%。数字だけ見れば十分に見えます。ただ、そのうち1,000万円は子ども2人の教育資金で、使う時期が決まっています。動かせるのは621万円だけです。

わが家の支出は月33万円なので、621万円は生活費18.8か月分「現金2割あるから大丈夫」ではなく、実際の緩衝材は8%しかないというのが正確なところです。

そしてわが家は持ち家ではありません。老後もずっと家賃を払う前提で計算しています。さっきの落とし穴①が、そのまま自分の話です。

⚠️ 4%ルールを使うときの注意点

4%ルールは米国の過去データから導かれた経験則で、日本で必ず成り立つ保証はありません。使うなら、少なくともこの3つは頭に入れておくべきです。

① 税金。課税口座から取り崩すと、利益部分に20.315%かかります。手取りで年400万円が要るなら、取り崩す額はもっと必要です。NISAなら非課税なので、ここは大きな差になります。
② 物価。支出額は固定ではありません。物価が上がれば、必要な取り崩し額も上がります。
③ 順序。取り崩し始めた直後に暴落すると、同じ4%でも資産の減り方がまったく変わります。


「いくら貯めれば安心か」の答え方

ここまで書いてきて、結論ははっきりしています。

「いくら貯めれば安心か」という問いには、順番があります。貯蓄額を先に決めることはできません。使う額を決めないと、貯める額は出てこないからです。

✅ 自分の数字を出す3ステップ
  • 1. いま、月にいくら使っているかを出す。ここが出発点です。ここが分からないと、この先は全部が推測になります
  • 2. 老後の支出に引き直す。教育費は終わります。住宅ローンも終わるなら引きます。賃貸なら家賃はそのまま残します
  • 3. 年金を引いて、不足額を出す。ねんきん定期便の見込み額を使います。分からなければ、まず平均で置いてみる

参考までに、年金の平均額は厚生年金が月15万1千円、国民年金が月5万9千円(令和6年度末、いずれも基礎年金を含む額)です。ただしこれは平均で、加入期間と収入で大きく変わります。ねんきん定期便を見るのがいちばん早いです。

質問するmochiのイラスト
1番の「月にいくら使っているか」が、いちばん難しい気がする…。
うれしそうなmachiのイラスト
そこがこの話の核心でね。「いくら貯めれば安心か」に答えられるのは、自分がいくら使っているかを知っている人だけなんだ。逆に言うと、家計簿をつけていない人は、この問いに一生答えられない。不安が消えないのは、金額が足りないからじゃなくて、基準がないからだと思ってる。

まとめ

📝 この記事のまとめ
  • 「2,000万円」は平均から出た数字。報告書自身が「人によって大きく異なる」と書いている
  • 2025年のデータでは月4万2千円の赤字、24.38年で約1,241万円
  • ただしこれは持家率95.5%の数字。住居費は月17,739円しか入っていない
  • 家賃10万円の賃貸なら、約3,648万円。3倍近く変わる
  • 赤字は65〜69歳が最大。老後は前半がきつい
  • 計算上の必要額は(支出−年金)÷ 4%。わが家なら3,600万円
  • それでも目標が1億円なのは、年金がなくても大丈夫な額だから
  • 先に決めるのは、貯める額ではなく使う額

7,852万円あっても、私は安心していません。ただ、不安ではありません。この2つは違います。

必要な額が計算できていて、いまどこにいるかが分かっている。だから足りない分と、それにかかる年数が見えます。見えているものは、怖くありません。

安心は、金額ではなく、自分の数字を持っているかどうかで決まります。

※本記事は2026年8月時点の公表データにもとづく試算です。年金額・物価・税制・運用利回りはいずれも変動します。4%ルールは米国の過去データにもとづく経験則であり、将来の資産寿命を保証するものではありません。個別の判断はご自身の状況に応じて行ってください。

📖 この記事の主な出典

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それではまた!machiでした🎵

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