こんちゃー!一級建築士のmachiです🎵
2018年、私たち夫婦はある選択を迫られていました。
「家を買うか、投資を始めるか。」
結果から言います。投資を選びました。そして8年後の今、世帯合計で7,659万円(2026年9月)になりました。
野村総合研究所の定義でいう「準富裕層(5,000万〜1億円)」に、普通の共働き40代夫婦がたどり着いたのです。
ただ、この記事でいちばん書きたいのはそこではありません。
「もし家を買っていたら、いくらだったのか」です。
以前この記事を書いたとき、私はそこを「厳しかったかもしれません」で済ませていました。推測で終わらせていたのです。今回、全部計算しました。
2018年、私たちが直面した選択
当時、私たちは家の購入を本気で検討していました。物件も何件か見て回りました。「そろそろ賃貸を卒業して落ち着こうか」という気持ちもありました。
でも、いざ購入に向けて動き始めると、ある壁にぶつかりました。
数千万円の住宅ローンを組んで、自己資金を一気に投入することへの強烈な戸惑いです。
- 頭金で手元資金がほぼゼロになる
- 35年ローンを背負って、毎月の返済が始まる
- その状態で、老後の資産形成をどうするのか
私は一級建築士なので、住宅のコストは誰よりもリアルに理解しています。建物の維持費、修繕費、固定資産税。家を持つということは、買った瞬間から継続的なコストが発生し続けることを意味します。
「まず増やすことを先に考えよう。」
ちょうどそのタイミングで、つみたてNISAの制度が始まりました。
やったことはシンプルです
旧つみたてNISA時代(2018年〜2023年)
毎月33,333円(年間上限の40万円)をひたすら積み立てました。選んだのは全世界株式と先進国株式のインデックスファンドです。
この6年間で、投入した元本は約240万円です。
新NISA移行後(2024年〜)
2024年から年間360万円に拡大しました。年初に成長投資枠で240万円、残りを毎月10万円の積立です。
この3年で約1,080万円。8年間の投資元本は、合わせて約1,320万円になります。
8年後の結果を公開します
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現金・預金 | 1,797万円 |
| リスク資産 | 5,862万円 |
| 世帯総資産 | 7,659万円 |
2026年9月時点です。投資元本が約1,320万円なので、残りは値上がり分ということになります。
毎月の実額は決算報告で全部公開しています。
もし家を買っていたら、いくらだったのか
ここが本題です。
仮に2018年に4,500万円の物件を購入していたとします。当時、実際に検討していた価格帯です。
持家の住居費を積み上げます
| 項目 | 月額 | 前提 |
|---|---|---|
| 住宅ローン返済 | 112,700円 | 4,050万円・35年・金利0.7% |
| 固定資産税 | 10,416円 | 年12.5万円で計算(目安10〜15万円) |
| 修繕積立・維持費 | 20,833円 | 年25万円で計算(目安20〜30万円) |
| 合計 | 143,950円 | 頭金450万円は別途 |
一方、わが家が実際に払っている住居費はこうです。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 家賃 | 63,003円 |
| 駐車場代 | 14,700円 |
| 合計 | 77,703円 |
差は毎月66,247円でした
143,950円 − 77,703円 = 66,247円。
家を買っていたら、毎月この金額が追加で住居費に消えていたことになります。
それは、積立額の2倍です
ここで思い出してください。当時わが家が積み立てていたのは毎月33,333円です。
追加の住居費66,247円は、その1.99倍。約2倍です。
さらに頭金450万円で、手元の現金はほぼゼロになります。スタート地点でも投資できません。
私は以前この記事で「年間40万円の積立継続すら、家計的に厳しかったかもしれません」と書きました。
訂正します。厳しいのではなく、不可能でした。
8年で1,086万円が、投資にまわせなかった
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 毎月の差額 × 96か月 | 636万円 |
| 頭金 | 450万円 |
| 投資にまわせなかった額 | 1,086万円 |
わが家の8年間の投資元本は約1,320万円でした。その82%が、そもそも投入できなかったということになります。
元本の2割しか入れられなければ、7,659万円という結果はまず成立しません。運用の上手さの話ではなく、投入できる金額の話です。
わが家の手取りは40万円です
ひとつ、前提を書いておきます。
わが家の手取りは月40万円です。決算報告で毎月公開しています。
年収別に、家を買ったらどうなるか
ここからは読者の方の「自分の場合」です。年収別に手取りを計算してみました。
| 年収 | 手取り(年) | 手取り(月) |
|---|---|---|
| 500万円 | 396万1,202円 | 330,100円 |
| 700万円 | 536万8,035円 | 447,336円 |
| 900万円 | 667万6,310円 | 556,359円 |
会社員・40歳以上・東京都・配偶者に収入なし・子ども2人(ともに16歳未満)・賞与なしで計算しています。家族構成や自治体で変わるので目安です。
この手取りに対して、さきほどの持家コスト143,950円はどれくらいの比率になるでしょうか。わが家の賃貸77,703円と並べます。
| 持家143,950円 | 賃貸77,703円 | |
|---|---|---|
| 年収500万円(手取り33.0万) | 43.6% | 23.5% |
| 年収700万円(手取り44.7万) | 32.2% | 17.4% |
| 年収900万円(手取り55.6万) | 25.9% | 14.0% |
| まちもち家(手取り40.0万) | 36.0% | 19.4% |
年収500万円で4,500万円の家を買うと、住居費が手取りの43.6%になります。
私は別の記事で「住居費は手取りの20%以下に抑える」と書いています。43.6%はその2倍以上です。そして年収900万円でも25.9%で、20%を超えます。
わが家の賃貸は19.4%。ぎりぎり20%以内です。意図してこの範囲に収めています。
年収500万円だと、残り全部でも返済に届きません
家計調査(2025年)から、世帯主40代の勤労者世帯の支出構成を取り出して、年収別に金額を割り当ててみました。
| 費目 | 手取り比 | 年収500万円 | 年収900万円 |
|---|---|---|---|
| 食料 | 17.5% | 57,621円 | 97,116円 |
| 住居 | 3.3% | 10,746円 | 18,112円 |
| 光熱・水道 | 4.2% | 13,722円 | 23,127円 |
| 家具・家事用品 | 2.4% | 7,850円 | 13,230円 |
| 被服及び履物 | 2.4% | 7,979円 | 13,448円 |
| 保健医療 | 2.2% | 7,302円 | 12,308円 |
| 交通・通信 | 9.0% | 29,856円 | 50,321円 |
| 教育 | 4.6% | 15,314円 | 25,811円 |
| 教養娯楽 | 6.5% | 21,481円 | 36,205円 |
| その他 | 9.0% | 29,826円 | 50,270円 |
| 使った分 計 | 61.1% | 201,701円 | 339,952円 |
| 残り | 38.9% | 128,398円 | 216,406円 |
年収500万円の方の「残り」は128,398円。4,500万円の家のローン返済は112,700円でした。
固定資産税と修繕積立まで含めた143,950円で考えると、残り128,398円では足りません。足りない分は、使った分のどこかを削ることになります。
食費を削るか、教育費を削るか、娯楽を削るか。投資にまわす分は、そもそも残りません。
ひとつだけ補足します。この「残り38.9%」は、そのまま貯金できる額ではありません。
家計調査では、住宅ローンの返済が「住居費」ではなくこの残りのほうに入っています。40代は持家の世帯が多いので、残りの中からローンを払っているわけです。だから数字だけ見ると貯蓄率が高く見えます。
では、手取りの何%を貯めればいいのか
年代別に「◯%」と言い切る記事をよく見ますが、私はそれができないと思っています。子どもがいるかどうか、何歳か。それだけで前提が変わりすぎます。
なので、まず実績から見ます。金融経済教育推進機構(旧・金融広報中央委員会)の調査です。
| 年代 | 二人以上世帯 | 単身世帯 |
|---|---|---|
| 20歳代 | 14% | 18% |
| 30歳代 | 14% | 17% |
| 40歳代 | 12% | 14% |
| 50歳代 | 12% | 14% |
年間手取り収入からの貯蓄割合です。40代の二人以上世帯で12%。これが実態です。
そのうえで、私が勧めるのは15%です。
手取り40万円なら月6万円です。年72万円。20年で元本1,440万円になります。
わが家も、毎月15%ではありません
正直に書きます。公開している直近3か月はこうでした。
| 月 | 収支 | 手取り40万円に対して |
|---|---|---|
| 7月 | 45,374円の赤字 | マイナス11.3% |
| 8月 | 70,069円の黒字 | 17.5% |
| 9月 | 59,787円の黒字 | 14.9% |
7月は水道代が2か月分まとまって、赤字になりました。3か月を平均すると7.0%です。
毎月の達成率を気にすると続きません。年単位で15%に寄せる。それでいいと思っています。
新NISAの満額は、どこから出しているのか
ここは誤解されやすいので、はっきり書きます。
わが家は新NISAで年360万円を満額使っています。月に直すと30万円です。手取りは40万円。
お金の出どころは2つに分かれています。
| 内容 | |
|---|---|
| 毎月の給料から | 生活費を払った残り。良い月で15%前後 |
| これまでの貯蓄とボーナス | 新NISAの枠を埋めているのは主にこちら |
理由は制度側にあります。旧つみたてNISAの上限は年40万円でした。月33,333円です。それ以上投資したくても、非課税の枠がありませんでした。
だから行き場のない資金は、貯蓄のまま置いていました。
2024年に新NISAが始まって、枠が年360万円に拡大しました。いまやっているのは、そうして貯まっていた現金を、毎年満額ずつ非課税の枠へ移す作業です。
9月の決算で個別株を売ってNISAで買い直したのも、同じ理由です。新しく稼いだお金ではなく、すでに持っているお金の置き場所を変えているのです。
わが家の総資産7,659万円のうち、現金が1,797万円、リスク資産が5,862万円。この比率が動いているのが、まさに移行の途中の姿です。
ただし、移すだけでは増えません
置き場所を変えるのは、税金を減らす作業です。資産そのものを増やすのは、入れる金額を増やすことしかありません。
だから私は「まず月1万円から」とは言いません。収入を増やす側を本気で動かすべきだと思っています。
転職、副業、資格。私の場合は20代で一級建築士を取り、資格手当が月3万円つきました。16年で576万円です。この話は次の章に書きます。
稼ぐ側をどう動かすかは、マイホームの買いどきの記事にも書いています。
家を買わない代わりに、やったこと
ここまでは「使わなかった」話です。でも資産形成は、削るだけでは進みません。
私が20代でやったのは、稼ぐ側を動かすことでした。
20代で一級建築士を取りました
一級建築士は、学科と設計製図の2段階です。合格率は公益財団法人建築技術教育普及センターが公表しています。
| 区分 | 令和7年 | 令和6年 |
|---|---|---|
| 学科の試験 | 16.5% | 23.3% |
| 設計製図の試験 | 35.0% | 26.6% |
| 総合 | 11.4% | 8.8% |
総合合格率は1割前後です。楽ではありませんでした。
資格手当が月3万円、16年で576万円になりました
一級建築士を取ったことで、資格手当が月3万円つきました。それを16年受け取っています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 資格手当 | 月30,000円 |
| 受給年数 | 16年(継続中) |
| 受け取り済み累計 | 576万円 |
この3万円は、40代の手取り(家計調査の平均で月57.9万円)に対して5.2%にあたります。
もし20代に手取りの20%を10年貯めたとすると、1,100万円です。一方、手取りが5%増えてそれが30年続くと、1,080万円。ほぼ同額になります。
しかも資格手当は貯蓄の代わりではありません。30代以降に貯める元の金額が増えるので、実際には積み上がります。
家計調査で手取りの推移を見ると、こうなっています。
| 世帯主の年齢 | 手取り(月) |
|---|---|
| 20代 | 458,253円 |
| 30代 | 552,696円 |
| 40代 | 578,733円 |
| 50代 | 569,865円 |
40代がピークで、そこから先は伸びません。母数を増やせる時期は、20代から40代までということになります。
なお資格手当の有無や金額は勤務先によって違います。すべての資格に手当がつくわけでもありません。これは私の1例です。
それでも、家を買う価値はあります
ここまで読んで「家を買うな」という記事だと思われたかもしれません。違います。
私は一級建築士で、家づくりを仕事にしています。家を持つことのメリットは本当のことです。
- 持ち家の安心感
- 老後に住居費がかからない(ローン完済後)
- 資産として残る
- 間取りも設備も自分で決められる
私が言いたいのは、順番の話です。
先に家を買うと、投資にまわせる金額が構造的に小さくなります。わが家の試算では8年で1,086万円でした。先に増やしてから買えば、その制約がありません。
どちらが向いているかは、年収と物件価格の組み合わせで変わります。手取りに対して住居費が何%になるかを先に計算してみてください。20%台に収まるなら、買う判断は十分ありえます。
今から始める人へ
遅くはありません。40代から始めても、老後まで20年以上あります。
ただし、「少額から始めればいい」とは言いません。
月1万円の積立を20年続けても、元本は240万円です。それで老後の不安が消えるでしょうか。消えないと思います。
やることは2つです。
- 入れる金額を増やす。転職、副業、資格。収入側を本気で動かす
- 固定費を下げる。いちばん大きいのは住居費。ここを20%台に収める
この2つをやらずに積立だけ始めても、増える金額は限られます。努力しなければ資産は増えません。私はそう考えています。
そして家を買う予定がある方は、買う前にこの計算をしてみてください。買ってから「投資にまわす余力がない」と気づくと、取り返しがつきません。
まとめ
- 2018年、家の購入と投資で迷い、投資を選択した
- 8年後、世帯総資産は7,659万円(2026年9月)。わが家の手取りは月40万円
- 家を買っていた場合、住居費の差は毎月66,247円。積立額33,333円の約2倍
- 8年で1,086万円が投資にまわせなかった。元本の82%にあたる
- 年収500万円だと、持家コストは手取りの43.6%。残り全部でも足りない
- 家計調査の住居費3.3%に住宅ローンは含まれない。ローン元本6.9%を足すと10.2%
- 貯蓄割合の実績は40代で12%。私が勧めるのは15%。ただし毎月ではなく年単位で
- 新NISAの満額は、これまでの貯蓄とボーナスから。旧制度の枠が小さく、行き場のなかった資金を移している
- 置き場所を変えるだけでは増えない。入金力を上げることが本体
- 20代で一級建築士を取り、資格手当は16年で576万円
特別な才能も、高収入も、株の知識もありませんでした。やったのは「順番を変えた」ことと「続けた」こと。そして「収入を上げた」ことです。
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※本記事は情報提供を目的としたものです。投資は自己責任でお願いします。試算は記載の前提にもとづく概算です。




