こんちゃー!まちもちチャンネルのmachiです🎵
先に結論から書きます。わが家は、生命保険にも医療保険にもがん保険にも入っていません。入っているのは自動車保険だけです。
40代・共働き・子ども2人。ふつうなら「一番保険が必要な時期」と言われる家族構成です。それでも入っていません。
この記事は「保険は無駄だ」という話ではありません。保険が必要な人は確実にいます。そのうえで、なぜわが家は入らないのかを、公的制度の数字で説明します。
- 保険料には保険会社の運営費が含まれる。期待値では必ずマイナスになる仕組み
- 保険会社は集めた保険料を運用して利益を出している。ただしその手数料率は原則、開示されていない
- それでも入る価値があるのは「起きたら自力で回復できない損失」だけ
- だから自動車保険には入っている(賠償は数億円になり得る)
- 死亡保障は遺族年金と資産を引いてから考える。子2人なら遺族基礎年金だけで年133万円
- 医療費は高額療養費で青天井にならない。医療費100万円でも自己負担は約9.3万円
- ただし入ったほうがいい人は確実にいます(後半で条件を書きます)
保険は、期待値では必ずマイナスです
まず仕組みの話です。保険料は大きく2つに分かれています。
- 純保険料:保険金の支払いに充てられる部分
- 付加保険料:保険会社の人件費・広告費・代理店手数料・利益
加入者全体で見ると、払った保険料の合計より、受け取る保険金の合計のほうが必ず少なくなります。差が付加保険料です。会社が事業を続けるために必要なので、これは仕組みとして正しい姿です。
つまり「保険で得をする」ということは、平均的には起こりません。少数の当たった人に、多数の外れた人のお金が回る構造です。
では、集めた保険料はどこへ行くのか
生命保険会社が抱えている資産は、業界全体で418兆5,222億円(2024年度末)。この原資は、契約者が払った保険料です。保険会社は、保障を売る会社であると同時に、巨大な運用機関でもあります。
保険会社の利益は「三利源」でできています
生命保険会社の利益の出どころは、伝統的に3つに分けて説明されます。
| 利源 | 何との差か | 利益になるのはどんなとき |
|---|---|---|
| 死差益 | 予定死亡率 | 見込みより亡くなる人が少なかったとき |
| 費差益 | 予定事業費率 | 見込みより経費が少なく済んだとき |
| 利差益 | 予定利率 | 見込みより運用がうまくいったとき |
3つめの利差益が、まさに「集めた保険料を運用して得る利益」です。仕組みとして、たしかにそうなっています。
契約者に約束されるのは「予定利率」だけです
ここで鍵になるのが予定利率です。これは保険会社が契約者に約束する運用利回りのこと。運用実績がこれを上回っても、上回った分は原則として保険会社に残ります。有配当タイプなら一部は配当として戻りますが、無配当タイプでは戻りません。
では、その予定利率はいくらなのか。日本生命が約40年ぶりに引き上げたときの数字がこれです。
- 終身保険・長期定期保険:0.25% → 0.40%
- 個人年金保険・養老保険:0.60% → 1.00%
- 学資保険・こども保険:0.85% → 1.00%
注目してほしいのは、これが40年ぶりの「引き上げ後」の数字だということです。終身保険で年0.4%。あなたのお金を運用してもらって、あなたに約束されるのはここまでということになります。
※ここでの数字は毎月保険料を払う「平準払」タイプのものです。まとまった資金を一度に払う一時払終身保険は、その後の金利上昇でさらに上がっています。住友生命は2026年7月1日以降の契約から1.75%→2.25%へ引き上げました(1998年7月以来28年ぶりの水準)。同じ「終身保険」でも、払い方でまったく別の数字になります。ただし「上回った分は保険会社に残る」という構造は、どちらでも変わりません。
肝心の「手数料率」は、調べても出てきません
ここまで来ると、当然こう思います。「じゃあ手数料は何%なの?」
私も同じことを考えて調べました。結論から書くと、原則として分かりません。
保険料のうち何%が保険会社の取り分か——付加保険料率は、各社とも公表していません。2008年にライフネット生命が業界で初めて開示しましたが、追随する会社は出ませんでした。いまも開示しているのは同社だけです(同社調べ)。
「運用そのものを買う」タイプの変額保険でも同じです。各社の商品ページには、こう書かれています。
「被保険者の年齢、性別などにより異なるため、具体的な金額や上限額を表示することができません」(保険関係費用)
「費用の発生前に金額や計算方法を確定することは困難であり、表示することができません」(運用関係費用の一部)
「解約控除額は基本保険金額・保険料払込期間・保険契約の経過年月数によって異なるため、具体的な金額を表示することができません」(解約控除)
一方、投資信託は信託報酬を目論見書に年率で明記する義務があります。並べると、差がはっきりします。
| 項目 | 投資信託(オルカン) | 貯蓄型・運用型の保険 |
|---|---|---|
| 運用中の手数料 | 年0.05775%(税込)と明記 | 原則、非開示 |
| 購入時手数料 | なし | 付加保険料に内包(金額不明) |
| 解約時のコスト | 信託財産留保額なし | 解約控除あり(金額は「表示できません」) |
| 中身の確認 | 月次レポート・運用報告書で開示 | 個別契約単位では追えない |
1,000万円をオルカンで持ったときの年間コストは5,775円です。高いか安いかを、自分で判断できます。保険は、その判断材料が最初から手元にありません。
公平に書き添えます。掛け捨ての保険にコストがかかること自体は、当然です。保障を用意してもらう対価だからです。ここで問題にしているのは保障と運用が抱き合わせになっている商品——終身保険、学資保険、個人年金保険、変額保険、外貨建て保険です。この形だと、保障の対価と運用の手数料を切り離せません。切り離せないから、どちらが割高なのかも分かりません。
わが家の唯一の民間保険が自動車保険です。理由ははっきりしています。
交通事故の賠償は、状況によっては1億円を超えます。自賠責保険だけでは足りません。
わが家には世帯で7,800万円ほどの資産がありますが、それでも足りない可能性がある。しかも払えなければ生活が終わります。これはまさに「自力で回復できない損失」です。
だから対人・対物は無制限にしています。基準が一貫していれば、入る保険と入らない保険は自然に分かれます。
死亡保障:まず引き算をしてください
生命保険の営業では「万一のとき、3,000万円は必要ですよね」という話をよく聞きます。ところがその3,000万円は、全部を保険で用意する必要はありません。
遺族に必要なお金(生活費+教育費)
− 遺族年金
− すでにある資産
− 配偶者の収入
= 保険で埋めるべき額
多くの人が、この引き算をしていません。とくに引き忘れが多いのが遺族年金です。
遺族基礎年金:子2人なら年133万円
会社員でも自営業でも、国民年金から支給されます。18歳到達年度の末日までの子がいる配偶者が対象です。
| 項目 | 年額(令和8年度) |
|---|---|
| 基本額 | 847,300円 |
| 子の加算(1人目・2人目) | 各 243,800円 |
| 子の加算(3人目以降) | 各 81,300円 |
| 子2人の場合の合計 | 1,334,900円(月約11.1万円) |
遺族厚生年金:会社員ならさらに上乗せ
会社員・公務員は、これに遺族厚生年金が加わります。金額は亡くなった方の報酬比例部分の4分の3です。
厚生年金に加入中に亡くなった場合、加入期間が300月(25年)に満たなくても、300月として計算されます。
つまり若くして亡くなっても、金額が極端に少なくなることはありません。ここを知らずに「まだ若いから年金は当てにならない」と考えて、保険を厚くしている方が多い印象です。
資産が増えるほど、必要な保障は減ります
ここがこの記事でいちばん伝えたいことです。
保険は「資産が貯まるまでの穴埋め」です。貯まっていない時期には必要ですが、資産が積み上がれば、その分だけ保障は要らなくなります。
ところが多くの人は、入ったときのまま見直しません。資産が増えているのに、同じ保障を払い続けることになります。
医療保険:高額療養費を知ってから決める
医療保険を考える前に、公的医療保険にすでに付いている「高額療養費制度」を確認してください。
これは、ひと月の医療費の自己負担に上限を設ける仕組みです。厚生労働省の説明では、こうなっています。
70歳未満・年収約370万円〜約510万円の方の場合、医療費が100万円かかっても、自己負担は約9.3万円まで抑えられます。
「入院したら何百万円かかる」というイメージは、この制度を計算に入れていないことが多いです。
2025年8月に予定されていた引き上げは、いったん凍結されました。その後あらためて見直され、2026年8月の診療分から実施されています。
さらに2027年8月には第2段階として、所得区分が細かく再編される予定です。公的保障は縮む方向に動いているということは、正直に見ておく必要があります。
それでも、自己負担が青天井にならないという性質は変わりません。月に10万円前後で収まるなら、それは「自力で払える損失」の範囲です。
ただし先進医療・差額ベッド代・食事代は高額療養費の対象外です。ここは自己負担になります。
そもそも「先進医療」とは何か
先進医療は、厚生労働大臣が定めた「評価療養」のひとつです。まだ公的医療保険の対象になっていない治療のうち、将来の保険適用を検討するために、保険診療との併用が特別に認められているものを指します。
名前の印象と違って、効果や安全性をまだ評価している段階の治療という位置づけです。だから保険が使えず、その部分は全額自己負担になります。
裏を返すと、評価が固まったものは保険適用に移っていきます。ここがこの制度のポイントです。
厚生労働省の実績報告では、令和5年7月から令和6年6月までの1年間で、76種類の技術が449施設で実施され、患者数は177,269人でした。
代表格だった粒子線治療は、保険に移っています
「先進医療といえば陽子線・重粒子線治療。300万円かかる」——保険の勧誘でよく聞く説明です。ところがこの前提は、すでに古くなっています。
粒子線治療は、対象となるがんの種類が順次保険適用に移ってきました。2024年6月にも範囲が拡大しています。
| 治療 | 保険適用になっている主ながん(2024年6月時点) |
|---|---|
| 陽子線治療 | 小児がん、骨軟部肉腫、頭頸部がん、早期肺がん、肝細胞がん、肝内胆管がん、局所進行性膵臓がん、前立腺がん、大腸がん(術後骨盤内再発) |
| 重粒子線治療 | 上記の多くに加えて、子宮頸部腺がん、子宮頸部扁平上皮がん、婦人科領域の悪性黒色腫など |
保険が使えるようになると、まず3割負担になります(重粒子線で約90万円、陽子線で約84万円)。
そこにさらに高額療養費が効きます。結果として、自己負担は先ほどの9万円台に収まります。
300万円の治療が、保険適用になった瞬間に9万円台になる。これが公的保険の効き方です。
では、先進医療特約は必要か
先進医療特約は月に100円前後と安く、「安いので付けておく」という判断は否定しません。ただ、次の2点は知ったうえで決めてください。
- 保険適用になった治療は、特約の対象から外れます。粒子線治療のように、対象疾患は順次保険へ移っています
- 特約だけでは入れません。医療保険やがん保険の本体に入るのが前提です。月100円のために、本体の数千円を払うことになります
わが家は医療保険に入っていないので、先進医療特約も付けようがありません。「もし該当したら自費で払う」という判断です。資産があるので、そこは選べます。
ただし、入ったほうがいい人は確実にいます
ここを書かないと、この記事は片手落ちになります。次に当てはまる方は、民間保険を前向きに検討してください。
- 資産がまだ少ない子育て世帯
引き算した結果、足りない額が大きい時期です。掛け捨ての定期保険で、必要な期間だけ備えるのが合理的です - 自営業・フリーランス
遺族厚生年金がありません。傷病手当金もないため、公的保障の層が会社員より薄くなります - 片働きの世帯
配偶者の収入という引き算ができません - 2028年4月以降の、子のない若い夫婦
年金制度改正で、子のない配偶者への遺族厚生年金が原則5年の有期給付になります(女性は2028年度末で40歳未満、男性は60歳未満が対象)。子を養育している間は対象外ですが、該当する方は前提が変わります - 貯蓄が苦手な自覚がある人
「手元にあると使ってしまう」なら、強制的に積み立てる仕組みとして機能します
とくに資産がまだ少ない時期の子育て世帯は、保険の出番だと思っています。わが家が入っていないのは、引き算したときに足りない額が無くなったからであって、最初から不要だったわけではありません。
わが家がやっていること
整理すると、こうなります。
| 種類 | 加入 | 理由 |
|---|---|---|
| 自動車保険 | 入っている | 賠償が資産を超え得る。自力で回復できない |
| 生命保険 | 入っていない | 遺族年金+資産+配偶者の収入で足りる |
| 医療保険 | 入っていない | 高額療養費で青天井にならない |
| がん保険 | 入っていない | 同上。治療費は貯蓄の範囲で対応できる |
浮いた保険料は、そのままインデックスファンドの積立に回しています。保険は解約すると戻りませんが、投資に回した分は自分の資産として残り、必要なときにいつでも使えます。
見直しの手順
- ① ねんきん定期便を見る
遺族年金の目安を知る第一歩です。日本年金機構の「ねんきんネット」でも確認できます - ② いまの資産を書き出す
預金・投資・企業の死亡退職金・弔慰金まで含めて - ③ 引き算して、足りない額だけ考える
足りなければ掛け捨ての定期保険で、必要な期間だけ。貯蓄型は「保険」と「投資」を混ぜるぶん、中身が見えにくくなります
保険会社や代理店に相談すると、相談は無料でも、提案されるのは商品です。まず自分で引き算してから相談すると、話が全く変わります。
まとめ
- 保険料には運営費が含まれ、期待値では必ずマイナスになる
- 保険会社の利益は三利源。手数料率(付加保険料率)を開示しているのは1社だけ。投資信託なら年0.05775%と分かる
- 入る基準は損得ではなく「自力で回復できるか」
- だからわが家は自動車保険だけ入っている
- 死亡保障は遺族年金・資産・配偶者の収入を引いてから考える
- 遺族基礎年金は子2人で年133万円。厚生年金には300月みなしもある
- 医療費は高額療養費で上限がある。ただし2026年8月から引き上げ、2027年8月に第2段階
- 資産が少ない子育て世帯・自営業・片働きの方には、保険が必要
保険は「入るか入らないか」ではなく、「いくら足りないか」を出してから決めるものだと思っています。
引き算をしてみて、足りなければ入ればいい。足りているなら、その分を自分の資産にできます。どちらが正解かは、家庭ごとに違います。
※本記事は2026年8月時点の情報にもとづく一般的な解説であり、特定の保険商品・投資信託その他の金融商品の購入や解約を推奨するものではありません。遺族年金の受給要件・金額は、加入状況や家族構成によって異なります。高額療養費の自己負担限度額は所得区分によって異なり、先進医療・差額ベッド代・食事代は対象外です。制度は改正される場合があります。ご自身の状況については、日本年金機構・加入している健康保険組合・必要に応じてファイナンシャルプランナー等の専門家にご確認ください。既存の保険を解約する際は、健康状態によって再加入できない場合がある点にご注意ください。
- 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」(令和8年4月分からの金額。基本額847,300円、子の加算 1人目・2人目 各243,800円、3人目以降 各81,300円)
- 日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」(報酬比例部分の4分の3、300月みなし)
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(医療費100万円の場合の自己負担額、所得区分別の限度額)
- 厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」(2028年4月施行予定の改正内容)
- 厚生労働省「先進医療の概要について」(先進医療の定義、実施技術数・施設数・患者数の実績報告)
- 生命保険協会「2025年版 生命保険の動向」(2024年度末の生命保険会社の総資産418兆5,222億円)
- 日本生命保険相互会社「保険料率および保険契約者に対する貸付の貸付利率の改定について」2024年11月21日(終身保険0.25%→0.40%、個人年金保険0.60%→1.00%、学資保険0.85%→1.00%。契約日が2025年1月2日以降の契約に適用)
- ライフネット生命保険「ライフネット生命が選ばれる理由」(2008年に業界で初めて付加保険料率を開示。現在も開示しているのは同社のみ=同社調べ)
- SOMPOひまわり生命「変額保険 将来のお守り 投資リスクと諸費用」(保険関係費用・運用関係費用・解約控除について「表示することができません」との記載)
- 住友生命保険「一時払終身保険の保険料率の改定について」2026年6月25日(予定利率1.75%→2.25%。契約日が2026年7月1日以降の契約に適用。1998年7月1日以来28年ぶりの水準、0.50%の引上幅は1985年4月2日以来およそ41年ぶり)
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(信託報酬 年0.05775%(税込)、購入時手数料なし、信託財産留保額なし)
遺族年金の金額は令和8年度(2026年度)のものです。高額療養費の自己負担限度額は2026年8月診療分から引き上げられ、2027年8月に所得区分の再編が予定されています。最新の金額は各リンク先でご確認ください。
あわせて読みたい
- 👉 iDeCoとふるさと納税をやらない理由|資産7,700万円の40代夫婦の選択
「みんながやること」を一度疑ってみる、という同じ考え方の記事です - 👉 新NISA完全ガイド|40代の始め方と口座開設・積立設定
浮いた保険料の行き先。積立の具体的な始め方はこちら - 👉 教育費の総額|小学校〜大学でいくら?学資保険よりNISAが有利
学資保険をどう考えるかは、こちらで詳しく書いています - 👉 【8月決算報告】まちもち家の総資産7,852万円|赤字から一転、家計も黒字に
この記事で「引き算」に使っている資産の中身は、毎月公開しています - 👉 【40代4人家族の生活費】月の平均はいくら?費目別の内訳を解説
遺族に必要な生活費を見積もるときの参考に
毎月の保険料を積立に回したら、将来いくらになるか。月1万円を20年でも、思ったより大きな差になります。その場で試算できます。
40代の資産形成は「現在地の確認」から「土台づくり」、そして「出口戦略」までがひとつながりです。保険の見直しは、STEP 1の「土台を整える」にあたります。関連記事を順番に整理した総合ガイドを用意しています。
それではまた!machiでした🎵



コメント